Britain The Best London

ホーム  /  記事  /  パリ・ミラノの合同展示会

パリ・ミラノの合同展示会 — どこに出るべきか

ファッションウィークが印象を作る場だとすれば、合同展示会(トレードショー)は受注する場です。予算が限られている段階では、投資対効果を測りやすいこちらから入るほうが判断しやすくなります。主要な三つの性格の違いから整理します。

三つの主要展示会

Tranoï Paris

パリ、Palais Brongniart。パリファッションウィーク期間中に開催され、180以上のブランドが出展します。レディ・トゥ・ウェア、アクセサリー、ライフスタイルまで幅広く、創作性の強いブランドが集まるのが特徴です。

Tranoï Tokyo も別途開催されており、日本ブランドとの縁が深い展示会でもあります。国別のパビリオン企画(タイ、アフリカ、韓国など)を積極的に組んでおり、日本からの参加も自然に受け入れられる土壌があります。

公式サイトの「EXHIBIT」から出展申込。tranoi.com

Première Classe

パリ、チュイルリー公園。主催は WSN(Who's Next)。アクセサリー特化で、約250のデザイナーを厳選、実際には450前後のブランドが並びます。来場者は約13,000人、うち69%が海外というのが最大の特徴です。

バッグ、ジュエリー、帽子、靴、小物。この領域であれば、パリで最も相性の良い展示会です。逆にアパレル本体で出るには適しません。

wsn-events.com

White Milano

ミラノ、Tortona地区。約350ブランド、うち半数が海外勢。ミラノファッションウィーク期間中に開催されます。

日本ブランドの出展実績が多く、ミラノでの最初の一歩として選ばれやすい展示会です。イタリアのバイヤーはパリより保守的な傾向がありますが、その分、取引が始まると継続しやすいとも言われます。

whiteshow.com

費用の構造

出展料だけで予算を組むと、必ず足りなくなります。実際に発生する主な項目は次のとおりです。

  • 出展スペース料 — 面積単価。位置によって単価が変わる
  • ブース施工 — 欧州は「床だけ」の契約が一般的で、什器・パーティション・照明は別途
  • 電源・通信・什器レンタル — 会場指定業者になることが多く、単価は高め
  • サンプルの国際輸送と通関 — 一時輸入の手続きを怠ると関税が発生
  • 渡航費・宿泊費 — 会期中は周辺の宿泊費が高騰。早期確保が必須
  • 通訳・現地スタッフ — 商談を成立させるつもりなら必要
  • カタログ・ラインシート・名刺の現地語版

実務上、出展料と同額程度が付帯費用として発生すると見込んでおくと大きくは外れません。

ブース位置という最大の変数

会場図では同じに見える区画が、実際には人の流れがまったく違います。入口正面、メイン導線沿い、隅。ここでの差は出展費用の差より成果に効きます。

図面からは判断できないため、可能であれば前年に視察してから翌年出展するのが最も確実です。視察は渡航費と入場料で済み、来場者の質、競合の見せ方、実際の人の流れが把握できます。翌年の設計がまるごと変わります。

そもそも展示会に出るべきか、視察から入るべきかという判断の枠組みは、海外展示会に出るべきか(Japan The Best)でより一般的に整理しています。ファッション以外の業種にも共通する内容です。

申込の締切

いずれも会期の3〜4か月前が目安です。ただし人気の位置は早く埋まるため、締切ぎりぎりの申込は位置の面で不利になります。申込時にはブランドの写真、価格帯、既存取引先などを提出して審査を受けます。

2026年10月のパリ(Tranoï 10/1–4、Première Classe 10/2–5)はすでに締切を過ぎている可能性が高く、現実的な目標は2027年3月のシーズンになります。逆算すると、動き始めるのは2026年10〜11月です。

会期後2週間が勝負

最も落ちやすい工程がここです。欧州のバイヤーは複数の展示会を回っており、記憶は急速に薄れます。帰国後に社内報告書を作ってから連絡すると、たいてい遅すぎます。

会期中にその日のうちに送る短いフォローメールのテンプレートを用意しておくのが、実務上最も効きます。あわせて、名刺を集めるだけでなく「すぐ商談/情報収集/参考」の三段階と会話の一行メモを残しておくと、フォローの精度がまったく変わります。

申込から当日運営まで

出展先の選定、申込書類の作成、ブース設計と施工手配、サンプルの輸送と通関、会期中の同席・通訳・商談記録、会期後のフォローまで対応します。視察のみのご依頼も承ります。

相談する →  ·  開催カレンダー

よくある質問

この分野で実際によくいただく質問です。

Tranoï、Première Classe、White Milano はどう違いますか?

Tranoï はパリで開催され創作性の強いブランドが集まる幅広い展示会、Première Classe はパリのアクセサリー特化で来場者の69%が海外、White Milano はミラノで約350ブランドが出展し日本ブランドの実績が多い展示会です。バッグやジュエリーなど小物であれば Première Classe、アパレルであれば Tranoï か White Milano が適しています。

合同展示会の出展費用はどのくらいかかりますか?

出展スペース料に加え、ブース施工、電源と什器レンタル、サンプルの国際輸送と通関、渡航費、宿泊費、通訳、現地語のラインシートが発生します。欧州の展示会は床のみの契約が一般的で施工費が別途かかるため、実務上は出展料と同額程度の付帯費用を見込んでおくと大きくは外れません。

いつ申し込めばよいですか?

会期の3〜4か月前が目安です。ただし人気のブース位置は早く埋まるため、締切ぎりぎりの申込は位置の面で不利になります。申込時にはブランドの写真、価格帯、既存取引先などを提出して審査を受けます。

ブース位置はどのくらい重要ですか?

出展費用の差以上に成果に影響します。会場図では同じに見える区画でも、入口正面、メイン導線沿い、隅では人の流れがまったく違います。図面からは判断できないため、可能であれば前年に視察して実際の流れを見ておくことの価値が非常に高くなります。

ファッションウィークと合同展示会はどちらに出るべきですか?

目的が違います。ファッションウィークはプレスと認知のため、合同展示会は受注のためのものです。予算が限られる場合は、投資対効果を測りやすい合同展示会のほうが判断しやすくなります。ショーは強い印象を作れますが、それ自体は売上になりません。