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ロンドンでのモデルキャスティング — 日本との違いと費用

ロンドンで撮影する最大の利点は、モデルの選択肢の広さです。人種、体型、年齢、雰囲気。日本では条件を絞るほど候補が減って単価が上がりますが、ロンドンでは条件に合う候補が複数出てきます。ただし日本と仕組みが違う部分があり、そこを知らないと後から費用が積み上がります。

二つのルート

エージェンシー経由

モデル事務所にブリーフを出し、候補を提案してもらう方法です。品質と手続きが安定しており、契約と支払いの枠組みも明確です。

費用構造はデイレート(拘束料)+ユーセージ(使用権)+エージェンシー手数料。手数料はモデル側とクライアント側の双方にかかるのが一般的です。

大手エージェンシーの上位モデルは高額ですが、ロンドンには中規模・新人中心のエージェンシーも多数あり、予算に応じた選択肢が実際に存在します。日本では「安いエージェンシー」の選択肢が限られますが、ここが構造的に違う点です。

ダイレクトキャスティング

エージェンシーに所属していないモデル、あるいはストリートキャストで見つけた人に直接依頼する方法です。費用は大幅に下がり、既視感のない顔が使えます。

近年のロンドンのファッション撮影では、むしろこちらが主流になっている領域もあります。ただし契約と当日の管理を自分で行う必要があり、経験のない人を扱う分、進行にバッファが要ります。

ユーセージ(使用権)— 日本にない概念

ここが最も多い追加請求の原因です。

英国では、モデルの拘束料と、撮影した素材の使用権が明確に分かれています。ユーセージは次の三つの掛け合わせで決まります。

  • 媒体 — SNSのみか、ウェブサイトも含むか、屋外広告や交通広告まで含むか
  • 地域 — 英国内のみか、欧州か、全世界か
  • 期間 — 6か月、1年、2年、または無期限

「SNS・全世界・1年」と「屋外広告含む・全世界・無期限」では、同じ撮影でも料金が何倍も変わります。

日本の感覚で「撮ったものは自由に使える」と考えていると、後から追加請求が来ます。逆に、用途を企画段階で確定させておけば、必要な範囲だけ買って費用を抑えられます。「とりあえず全世界無期限」で契約するのは、多くの場合お金の無駄です。

費用に含まれるもの、含まれないもの

項目備考
デイレート(拘束料)半日/全日で区分。超過は時間単位で加算
ユーセージ(使用権)媒体・地域・期間の掛け合わせ。別建て
エージェンシー手数料クライアント側にも20%前後かかるのが一般的
交通費ロンドン外からの移動は別途
フィッティング撮影前日の合わせも拘束扱いになる場合がある
ケータリング拘束時間が長い場合は用意するのが慣習

必ず揉める三つの論点

一.撮影が押したときの扱い。 デイレートの範囲を超えた場合、時間単位で加算されます。押すことを前提に、あらかじめ超過分の単価を合意しておくと当日に交渉しなくて済みます。

二.ボツカットの扱い。 撮影したが使わなかったカットもユーセージの対象になるのか。通常は「使用した素材のみ」ですが、契約書で明記されているか確認してください。

三.SNSでの二次利用。 ブランド公式アカウントでの投稿と、インフルエンサーやモデル本人による投稿では扱いが違います。誰がどこに投稿してよいかを事前に決めておく必要があります。

ブリーフの書き方が結果を決めます

エージェンシーに出すブリーフが曖昧だと、返ってくる候補も曖昧になります。必要なのは、参考画像、求める雰囲気の言語化、身長・サイズの範囲、撮影日時と場所、想定するユーセージ、そして予算レンジです。

予算レンジを最初に伝えることを躊躇しないでください。英国では一般的な進め方で、伝えたほうが現実的な候補が早く出てきます。伏せていると、予算に合わない候補ばかり提案されて往復が増えます。

キャスティングから当日管理まで

要件の言語化、エージェンシーへのブリーフィングと交渉、ダイレクトキャスティング、ユーセージの設計と契約、当日のモデル管理まで対応します。撮影だけの単発依頼も承ります。

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よくある質問

この分野で実際によくいただく質問です。

ロンドンのモデルは日本より安いですか?

同等の品質で比較した場合、多くのケースで抑えられます。モデルの絶対数が多くエージェンシー間の競争があるため、中規模・新人中心のエージェンシーという選択肢が実際に機能するためです。ただし英国にはユーセージ(使用権)が別建てで存在するため、その分を見込まないと想定より高くなります。

ユーセージ(使用権)とは何ですか?

撮影した素材をどの媒体で、どの地域で、どの期間使えるかという権利で、モデルの拘束料とは別に費用が発生します。SNSのみ・英国内・6か月と、屋外広告含む・全世界・無期限では料金が何倍も変わります。日本には明確な対応概念がないため、最も多い追加請求の原因になっています。

ダイレクトキャスティングとエージェンシー経由はどちらがよいですか?

目的によります。エージェンシー経由は品質と手続きが安定し、契約と支払いの枠組みが明確です。ダイレクトキャスティングは費用が大幅に下がり既視感のない顔が使えますが、契約と当日の管理を自分で行う必要があり、進行にバッファが要ります。近年のロンドンではダイレクトが主流の領域もあります。

モデルの費用にはどこまで含まれますか?

デイレート(拘束料)が基本で、ユーセージ、エージェンシー手数料(クライアント側にも20%前後)、交通費、前日のフィッティング分は別建てになるのが一般的です。長時間拘束の場合はケータリングを用意するのが慣習です。見積り比較の際は、何が含まれていないかを必ず確認してください。

ブリーフには何を書けばよいですか?

参考画像、求める雰囲気の言語化、身長とサイズの範囲、撮影日時と場所、想定するユーセージ、そして予算レンジです。予算を最初に伝えるのは英国では一般的な進め方で、伏せると予算に合わない候補ばかり提案されて往復が増えます。